針生検までの過程

​ 前立腺腫瘍マーカーPSA=​​​​prostate specific antigen(前立腺特異抗原)の針生検は2018年4月27日午前9時からY病院で実施した。その詳細は後述するとして、そこに至るPSAの過程をまず記録しておく。古い日記帳を引っ張り出して数字を拾う。小数点以下3桁は会社の健診(2007年までは2桁)と関連病院での検査。2015年以降の2桁はY病院。当然、検査キットは違う。単位はng/ml。前立腺針生検当時の年齢は57歳7カ月。
2001.12.25   1.90(41歳)=翌月から米国勤務のため人間ドック
2005.06.20   1.66(44歳)=帰国後初の健診
2006.05.15   1.92
2007.05.25   1.914
2008.04.24   3.750
2011.04.20   3.909
2012.04.18   3.958(51歳)
2013.04.16   5.128
2013.06.14=C病院で前立腺MRI撮影。「よく分からない。癌なら一発で分かるがそこまでの影はない。この小さな影が微妙といえば微妙だが」とK医師。
2013.08.19   5.850
2014.02.03   5.191
2014.04.15   4.202
2015.04.17   5.574
2015.05.21   5.245
2015.07.30   5.302(54歳)
K医師が転任したことに伴い、紹介状を書いてもらい、Y病院で診察を受けることに。
2015.12.22   8.47 =Y病院N医師に初めて尿道結石で診察を受ける。そのときの採血結果。
2016.04.20   7.157
2016.07.28   6.592=「がんならあまり上がったり下がったりしないが、生検するしか確定はできない」とN医師。様子を見ることに。
2016.11.16   7.59=「(Y病院の検査結果だけ見て)また下がりましたね」とN医師。
2017.02.15   8.66=「かなり上がりました。どうしますか?」とN医師。5月17日にMRIも撮ることに。(診察は24日)
2017.04.17   8.931
2017.05.17   8.74=MRI所見では癌らしきものはないとのこと。前立腺はかなり大きいです、と。このときに体積を聞けば良かった。(診察は26日)
2017.11.17  10.31=「10を超えたので次回、再度MRIを撮りましょう」と。(診察は21日)
2018.02.21  10.41=「確実に癌だという影はありません。ただ、怪しいといえば怪しいという部分はある」とN医師。ここまで1カ月間、アグリコン型大豆イソフラボンを飲んできた。効果を期待したがPSAは下がるどころか上がった。手遅れになる前に生検すると決断した。診察でこの説明を受けた27日に生検を予約した。(診察は27日)
 PSAがジリジリと上がっているのに、針生検をここまでしてこなかったのにはいくつかの理由がある。ざっと理由を挙げると-。
米国予防医療専門委員会(US Preventive Services Task Force:USPSTF)がPSA検査を推奨しないと結論づけている。
②少数意見かもしれないが、高橋知宏医師(大田区の開業医)、近藤誠医師(元慶應義塾大学医学部専任講師)らはラテント癌や「がんもどき」などおとなしい癌を針生検によって活発化させる可能性を指摘。針生検の無用性を主張している。

③身内では父が最後の最後に肺がんになって死亡した(81歳)以外、癌や悪性腫瘍を発症した人がおらず、自分が癌になる可能性を考えたことがない。
④Y病院での検査は「経直腸的前立腺針生検」で2泊3日。局所麻酔を前立腺周囲に注射する。どう考えても痛そうで勘弁してほしい、というのが本音。
ざっとこんなところである。
ところで、生検やPSA、MRI撮影以外にも、前立腺癌かどうかを判断する診断はいくつかある。
【PSA値と前立腺体積の関係=PSAD】
 PSAの数字が高いからといって必ずしも癌ではないことは、少し調べれば分かる。むしろ、10前後の値では、癌でない確率の方が高い。MRIでは分からなかった。
 前立腺の体積が大きければ当然、PSAの許容範囲も大きくなる。日本人の前立腺平均体積は20cc以下といわれている。日本人のPSAは4が標準値となるのは44ccだという(高橋医師のブログから)。つまり、前立腺肥大が進めばPSAは高くなる。そこで前立腺の体積が重要になってくる。
 それを数値化したのがPSAD(PSA密度)=PSA値を前立腺の容積で割った数値。数値が低いほど前立腺肥大の可能性がある。
 【F/T比】
 PSAは血液中で、タンパク質と結合しているグループと、結合していない(遊離=free)グループがある。この遊離グループを全PSA(total)で割った数値を検証すると、数値が高ければ高いほど、癌の割合が低いという。出典を失念したが、F/T比26%以上だと、癌7、非癌32。10%以下なら癌34、非癌11だった。
 直腸内触診や肛門の中に経直腸的超音波検査もそう。そうした一種の「スクリーニング」を経てなお癌の疑いがあるなら、生検に進むというのが流れだという。
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Y病院のN医師は生検を強く勧める人柄ではない。「やった方がよいと思います」とは言う。だが、メリット、デメリットを挙げた上で「決めるのは本人です」。私が「先生が同じ状況ならどうしますか?」と聞くと「私ならやります」という。
 だが、病院の方針なのかどうかは分からないが、N医師は血液検査とMRI撮影のみだ。私がF/T比やPSADの話をすると「わたしはF/T比は当てにならないと思っています。それに、どんな検査をしたところで生検でなければ確定診断はつきません。生検でもうまく癌に当たらないかもしれないぐらいです。これだけPSAが高いのであとは生検をするかどうか、だと思います」と言う。あとは自分で決めろ、ということだ。うーん、どうしよう…。

 生検をせざるを得ない、と最終的に観念したのは、ばかばかしい話だが、アグリコン型大豆イソフラボンのサプリがまったく効かなかったことかもしれない。たかがサプリではある。だが、前立腺肥大なら効果があると高橋医師のブログにもあった(もちろん、効かない人もいると書いてもあるが)。多少は効果があると期待していたのが真逆の結果で数値が上昇していた。
 もはや、前立腺癌であることを否定する要素を自分の中では見つけられなかった。確かに癌でもラテントや超早期で経過観察程度(TNM病期分類でT1程度)なら良いかもしれないが、もしそうでない癌で、何らかの処置をすればQOLを維持しながら生活できる、ゴルフもできる、というのなら、いま決断するしかないかな、という考えからだ。
どのように生検が進んでいったのか。痛いのか、痛くないのか。次回に書く。

 
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投稿者: otokonobyouki

前立腺がん発症時57歳。PSAの値がじりじりと上昇したにもかかわらず生検から逃げ回ったのがたたり、T2cの診断。男性機能喪失と尿漏れを避けるために陽子線照射で治療した。その記録と、若い頃から次々とできてきた尿道結石、ESWLの記録。

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