2018年6月20日水曜日
雨の中、車で向かう。初めての病院。市立の病院に併設されている陽子線センターはとても綺麗。Y病院のN医師からもらった紹介状や画像のCDR、生検で取ったプレパラートを持参する。CDRとプレパラートをみると複雑な思いだ。これが癌なんだなあ、とミミズのように細い、ひょろひょろの生検の標本を眺める。

市陽子線治療センターは、他院からの紹介状があってもまず、セカンドオピニオンという形で放射線科の医師の意見を聞くようになっている。担当してくれたのはまだ若いH医師。経歴をみると30歳を少し超えたところ。息子といってもよい年齢だが、しっかりしている。何が何でも生検だ、生検だ、手術だ、切る、切るという外科や泌尿器科の若い連中(自分の意見を押しつけてくる医師は馬鹿にみえる)に比べて、とても穏やかで共感が持てる。
すべての資料をみて、Y病院と同じ、GS3+3=6、T2cN0M0だという。この病院ではリスク分類に「NCCN」を使用しているので、「早期の中リスク」という結果だった。「90%以上は完治を目指せます」と言う。東北大などで使っているD’Amicoの基準ならT2cで高リスク。そこを聞いておきたくて「治療方法として変わってくることはありますか」と質問。H医師は「ホルモン投与の期間を8カ月にする、というような程度です」と。少し安心した。
尿漏れや男性機能をほぼ喪失するダビンチを含めた外科的手術は回避したいと話す。「いまや、放射線治療の方が手術を凌駕するデータもありますよ」と小線源、トリモダリティ、IMRTの簡単な説明をする。
すべて知っている話だったが、IMRTも陽子線も治療成績は似たり寄ったりで陽子線がIMRTより優れた治療結果を出しているわけではないという。これは初めて聞いた。陽子線がIMRTより優れているのは被爆部位を最小限にできること、それに伴い、直腸出血などの副作用は陽子線の方が少ない。これらもすべてウェブサイトや本に出ている話。照射回数は39回もあるIMRTだが、陽子線は21回。これはありがたい。
もっとも驚いたのは、照射の位置決めのための金属マーカーを入れるために入院が必要ということだったかもしれない。もう二度と下半身を露出する砕石位はやらないぞ、と思っていただけに「どこにどう入れるのですか」と尋ねる。
とても細い針、そうですねえ、シャープペンシルより細い針を2本、そうそう、あと1本は直腸と前立腺の距離を保つためのゼリー状の緩衝剤のようなものを入れます、とのこと。念のために1泊2日。
一通りの説明のあと、陽子線にされますか?と聞かれたので「お願いします」と返事をする。市陽子線治療センターでは、ホルモン治療はやっていない。Y病院で6カ月間のホルモン治療をしたあと、年明けから陽子線を21回照射する、ということになった。
女性ホルモンの投与はさまざまな副作用がある。女性の更年期障害のような症状があると言われたが女性でないので分からない。ホットフラッシュや乳房が大きくなる、髪の毛が生えてくる、などは本に出ていたが「脇毛がなくなるかもしれません」。ほー。
ちなみに現在はホルモンの皮下注射は1カ月、3カ月に加えて6カ月有効な注射もあるようだ。ぜひ一回ですむ注射をお願いしたい。
診察室を出る際、ベテランの看護婦さんが耳打ちしてくれた。「●●さん(私の名前)、恰幅がよいから女性ホルモンを投与されると、食事が進んでしまいますから気をつけてね。太らないようにね」と笑って注意してくれた。とてもありがたい。
ちょうど、照射までに間に減量を加速しようと思っていた。「筋トレなどしてもよいですかね」と私。「照射のマークをつけた後はやせられると困るから、それまでにやせてね」と看護婦さん。頑張るぞ。
1時間弱のセカンドオピニオンで4300円。とにかく、お金がかかる。治療に入る前なのに金が飛んでいく。古い保険でも、とにかくガン保険がこれほどありがたいものかと思う。女性ホルモンはそういえば、3カ月の注射だとして、3割負担で3万円近くかかる。陽子線は160万円。これの3割負担。高額医療制度を使ってざっと25万といったところか。次はY病院に戻って注射と内服薬の相談だ。