体の中はどうなっているのだろう

2019年1月16日水曜日
 きょう、いよいよ21回照射の初回を迎えた。この日は車検に出した車の取り出しなどがあり、休みを取った。最初だから妻にも同行してもらった。H医師による半分激励のような簡単な診察のあと、看護師さんによる説明があった。妻も同席してこれからのことを聞く。まず禁煙、禁酒。たばこはもうやめて10年以上経つからよいが、禁酒は痛い。つらそう。「要はやけどのようなものです。アルコールは炎症を悪化させる可能性がありますから」とT看護師。日常の過ごし方、風呂に入るときにゴシゴシこすって洗ってはいけない、などいくつかの注意点を教えてもらう。とくにハッとするものはない。
 身長、体重を測る。167センチ、82.9キロ。ホルモン治療を始める前から比べると5キロ増えた。この治療が終わったらパーソナルジムにいって10キロはやせると誓う(笑)。いや、マジで。
 照射30分前、300ミリリットルの水を飲んだ。この日のためにヴォルヴィックの330ミリリットルのペットボトルを24本購入した。そのうちの1本を30ミリリットル抜いて持参してきた。あとでわかるのだが、この300ミリリットルはそう厳密でなくてもよさそうだ。
 陽子線センターの入り口で技師の男性が名前を呼ぶ。陽子線とはいえ放射線だ。管理区域に入るためのIDカードを渡され、これから毎回、ドアを開けるためにタッチパネルにカードをかざす。出るときも。技師さんの後を歩き、更衣室へ。上半身はボタンダウンのシャツのまま。下半身は紙パンツに履き替えてズボンをはき、更衣室を出る。
 こちらですよ、と技師さんを追うと通路はクランク状に左に右に曲がっていた。「放射線ですから少しでも被曝を防ぐ意味合いもあります」と説明され、いまから体に入れていくのは放射線なのだなあ、と思い知る。
 ここの陽子線センターには3つの部屋がある。国内初のスポットスキャニング照射ができるガントリー照射室1、肺や肝臓への二重散乱体照射をするガントリー室2、そして二重散乱体照射かつ水平方向への照射が可能な固定照射室だ。前立腺ガンの照射はこの固定照射室で行う。

 固定照射室はかなり広い。教室一つ分はある。そこにレントゲン室と同じような台があり、ズボンだけを脱いで仰向けになる。前に作ってもらったそれぞれの患者オリジナルの固定具を装着される。小さな輪っかとナースコールボタンを渡される。輪っかはCTスキャンなどと同じように胸の前に両手で持つ、いわば手すり。「なにかあればボタンを押してください」と技師さん。「これから前回入れた純金のマーカーの位置を確認します」。レントゲンで位置を確認するのだという。
 腹に書いてもらった照準となる線はすぐに薄くなる。何度か妻に書き足してもらったがぐにゃぐにゃになってしまい、しまいに消えていた。「大丈夫でしょうか」と技師さんに聞くと「問題ありません。どうせいまからしっかり、再度、目標を決めますから」と言われ安堵する。
 ターゲットを確認していよいよ照射が始まる。一番奥にある加速器の音なのか、隣の部屋のガントリーの音かはよくわからないが、ぐーんと回転する音に変わり、加速器が回っていると実感する。
 そういえば、てっきり、照射は腹の上からするのだと思っていたので脇腹方向から照射することに結構驚いた。初回のきょうは右側から。あすは左側から、と交互に21回だ。
 照射は1分か2分程度。何の痛みもなく、終わった。技師さんによると、一日25、6人に照射するという。着替えてから尿の流量を測定する。30分前に飲んだばかりで尿意はないのだが検査用のトイレで無理矢理出す。出てきた数値を看護師さんに渡すと「あれ、あまり出ていないですねえ」。僕は「いや、だからしたくないっていいましたよねえ。出ないです」と訴えた。看護師さんによると30分経てば膀胱にたまるので勢いよく出るはずなのだと。明日はだから45分前に水を飲むことになった。
 こうして初日の照射が終わった。前立腺ガンの陽子線治療は前にも書いたけれど、昨年4月から保険適用になった。160万円の3割負担、48万円。会社から高額医療の限度額適用認定証をあらかじめもらってきたのでこの日の支払いは260,208円。カードで一括払いお願いします、と払ったが高い治療費だ。妻が「一桁間違っているんじゃないかと思った」というほどだ。
 これでガン保険で給付されるのは10万円。会社から幾ばくかの補助が出てほとんどチャラにはなりそうだが、まったくガン保険は馬鹿にせずに見直すべきだった。

投稿者: otokonobyouki

前立腺がん発症時57歳。PSAの値がじりじりと上昇したにもかかわらず生検から逃げ回ったのがたたり、T2cの診断。男性機能喪失と尿漏れを避けるために陽子線照射で治療した。その記録と、若い頃から次々とできてきた尿道結石、ESWLの記録。

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