2019年1月18日金曜日
3度目の照射にはいつもより30分早く到着した。きのうが飛び込みだったので余裕を持って周囲を観察する目的もある。入室カードを持参している人しか入れない陽子線センター待合室には朝早くから照射を待つ人たちがいる。おおむね推定70歳以上の老人だが、40代ぐらいの筋肉質の男性もいる。僕もガン患者としては若い方かもしれないが、僕よりさらに一回りは若く見える。何のガンなのか分からないが、頑張って欲しい。バックパック姿だったのでアクティブに動いているのだろう。
照射室ではどのみちズボンを脱いで脱衣かごに放り込むので、待合室にスマホとアップルウォッチをつけたまま、財布も尻のポケットに入れたまま座っていた。スマホを見ていると看護師さんがやってきて「あ、スマホとかダメですよ。壊れちゃいます」。
当たり前の話だが、陽子線はいくら横たわった患者に集中するとはいえ、部屋中を飛び回る。電子機器は壊れ、カードは磁気がおかしくなるそうだ。
順番が来た。きょうは技師さんが2人とも女性。紙パンツを少し下ろされた。照準の十文字をマジックでなぞってくれた。こんなおっさんのふやけた体は見たくないだろうに。気の毒だ。
3回目は右側照射。仰向けになるとまず、体の左側にX線撮影用の野球のベースのような形のハコが天井から下りてくる。これで体内に埋めた純金製のマーカーを確認して位置を決める。モーターで台座を微調整させている。
調整は誤差1ミリで行う。廊下に張ってある陽子線照射の説明には3ミリずれるとどの程度、照射量が変わるか、がとても難しい表現で書かれている。それにしても、なんでこんな難しい説明を張るのだろうか。読むのは患者とその関係者だということが分からないのだろうか。こういうところに理科系の人たちの神経のなさが出る。
文句はともあれ、調整のために3回ほど台座が動いた。マイクでかわいらしい声で「位置が決まりました」。このあと、陽子線が出てくる場所に「ボーラス」と呼ばれるプラスチック製の直方体様のものをかぶせる。これは僕の前立腺をかたどっていて、ぴったりと照射できるようになっているのだ。照射は毎日、左右が変わるから、ボーラスも左用、右用とある。
さあ、加速器の音がウイーンとして、きょうも照射が始まった。次回は、いったい何分照射しているのか、数えてみる。きょうの感覚ではざっと2分ほどか。何も感覚はない。台に寝ているので眠くなる。「では、次は月曜日に」。笑顔で送り出された。
あと18回。何の副作用もなければいいが。とにかく膀胱と尿道が弱いのだ。尿管結石の石がまだ6、7個、左腎臓にある。1つがかなり下りてきていて、数週間前に結構痛みがあった。こいつが同時に悪さをするとどちらの痛みなのか、分からなくなる。とにかく今は石よ、おとなしくしていてくれ。