最後のリュープリン注射が終わった。いよいよだ。

2018年12月12日水曜日
 きのう、陽子線照射前に受ける最後のリュープリン注射が終わった。11月13日に採血したPSAの値は0.18ng/mLだった。下に推移(途中から)の表を貼っておく。


 初めてのホルモン注射が7月20日だったから、4カ月で劇的に下がった。5回目の数値は次回、Y病院に行った時に判明するが、4カ月で0.18が低いのかどうか。限りなく0に近づくのかと思っていたのでN医師に尋ねると「順調ですよ。これなら陽子線照射を始めても大丈夫でしょう」と笑顔で返ってきた。
 投薬もまだあった。これで終わりなのかと思ったらカソデックスを35日分、つまり照射が始まる前日までの量だ。つらいホットフラッシュと体重増加から逃れられるかと思っていたが、もう少し、我慢が必要だ。次回、この病院に戻ってくるときはすべての照射が終わってからだ。N医師は、いつものように「頑張ってください」と言って僕を診察室から送り出した。
 13日に市立病院で陽子線照射のターゲットを決めるための純金マーカーを埋め込む施術をする。念のための一泊入院。前にも書いたが「PSA検査よりは楽だと皆さんおっしゃいますよ」という看護師さんの言葉通りならよいが。ケツに器具を入れられるのはまあ、仕方がないが、その前の麻酔の注射が痛くないか、不安だ。大の大人が、というかもしれないが、腰椎麻酔って痛いと聞いたことある。5秒我慢すればよいのかもしれないが。一体どれだけ注入されるのかしら。
 けさ、出かける前に、妻に入院のしおりを渡し、いろいろと整えてもらっている。妻に感謝。さあ、次の章に移ることになる。

陽子線治療へ最終ステップだ

2018年11月13日火曜日
先週の8日木曜日と12日火曜日に市陽子線治療センターで採血、心電図、レントゲン撮影。今後の流れ、陽子線治療での副作用などの説明があった。いよいよ近づいてきた。
今後の予定をざっと記す。


 12月13日、一泊二日で入院して、照射位置を示すための純金を体内に挿入するための処置がある。いってみれば、あの生検と同じように肛門に器具を入れて局所麻酔。その上で純金の「前立腺マーカー刺入術」を実施。同時に陽子線が当たって副作用を強くしないため、前立腺と直腸の間にジェルをかませるSpace OAR術を施すという。入院前日に下剤を服用、当日昼前に病室に入り、浣腸をして、また、あの嫌なブスリというのを経験するのか。看護師さんによると「みなさん、生検よりは楽だった」とおっしゃいますよと。


 次の週は固定具を作成する。陽子線を当てる際にいつも同じ位置に当たるようにするため、一人一人にオーダーメイドだ。それが完成すると、X線、MRIなどでシミュレートする。順調に進むと仮定して、陽子線の最初の照射は2019年1月16日になる。12月の最終週まで、毎週のように病院に通うことになる。


 そういえば、照射の際には下着を脱いで紙パンツを履く。陽子線が跳ね返されないためという。その紙パンツもセンター内の売店で買いました。


 きょう、11月13日はY病院でリュープリン注射をする日でもある。左側。ほとんど痛みはなかった。ベテラン看護師さんはすごいね。N医師から血液検査の結果が示された。PSAはまた下がり、0.33ナノグラム。「順調に下がっています。頑張りましょうね。1月に照射開始なら12月の注射を最後にしましょう」。


陽子線センターの会計7240円。薬(下剤)470円。
日赤の会計14040円。薬3300円。
それにしても高いわ。

相当まずい体重増加

2018年10月30日火曜日
25日に前立腺癌とは別に、以前から通っている高脂血症、高血糖値など、メタボ改善のための診察に行ってきた、およそ2カ月半ぶりの血液検査は非常にまずい数値になっていた。一昨年5月、我が家の慶事のために一生懸命痩せて75キロ台まで行った体重は、久しぶりに80キロ台に乗っていた(80.7キロ)。2カ月前には6.2%だったHbA1cは6.6%に急上昇していた。


 この体重増加を薬のせいにしてはいけない。確かに、リュープリン、カソデックスの副作用には体重増とあるが、これは薬が体重を増やすわけではない。女性ホルモンが食欲を増進させるというに過ぎない。たしかに、「薬で新陳代謝が悪くなっている」(内科医)という指摘は当てはまるのかもしれない。内科医は「気にするほどではないのでまた頑張りましょう」と言ってくれる。だが、要するに自分に甘いだけだ。
12月には陽子線を照射する部位を特定するためのボーラス・コリメータなる器具の形を取る。この型どり以降は「痩せないでください」と言われているのだから、これまでにせめて77キロぐらいまでは落とさないといけない。
もう一度、糖質制限をしっかりしよう。江部医師流でいえば、スーパーとはいかないが、1日当たり120グラム以内、夕食は主食を抜く、を徹底したい。朝食はコーヒーとプロテイン系だけにして、食べるなら昼飯に主食を少々。夜は絶対にご飯は抜こう。可能なら、ご飯も冷や飯で。おにぎりとか。


ちなみにけさは79.8キロと雀の涙ほど減っていた。甘い物はほどほどに。

ぐんと減ったPSA

10月19日金曜日
 リュープリンの注射、今月は右側。毎回、ちょっと痛かったり、不快感がしたり、する。注射だから仕方がないが。ほかのガンに比べたらまだマシだからこれぐらいで文句を言っていては罰が当たる。

 
 この日、先月21日の採血の結果をもらった。PSAは0.58になっていた。毎日、カソデックスを飲み、リュープリンを打ち、2カ月間でこれだけ下がった。薬とはすごいものだ。もっとも、この効果も一時的。ホルモン治療だけでは10年と言われる。だが、徹底的に小さくして陽子線、というのが根絶への希望。薬が効いていることに、感謝しよう。


 それにしても、陽子線照射の担当看護師さんに「女性ホルモンを服用すると食欲が増進してかなり太って治療にいらっしゃる方がいるので気をつけてください」と言われていたのを、最近の体重をみるにつけ、思い出す。治療を始める前から2キロは増えた。かなりまずい。ただでさえ、オーバーウエイトなのに。糖質管理をもう一度、しっかりと。


  朝晩、めっきりと涼しくなった。寒い日もあるぐらいだ。だが、ホットフラッシュを繰り返す身には、非常に暑い瞬間が何度もある。エアコンをつけては消す日々。妻から「寒いよー」と言われて気づく。「あ、薬飲んでいるんだなあ」と。


 この日、初めて処方箋薬局のアプリを使って病院内から処方箋を写メして送信してみた。とても混んでいたが、会計を済ませて薬局に到着したころにはできていた。待ち時間1分。楽ちんだった。


 本日の会計は病院14,040円、薬局2,940円。

ホットフラッシュがひどい

9月29日土曜日
 このところ、ホットフラッシュがひどい。数分間、体が異常にほてり、熱く感じる。少しすると引いてくる。寝ているときは布団をはね飛ばしてほてりが収まるのを待ち、今度は寒くなってきたら被る。


 色々と調べてみるとホルモン治療を初めて数週間後から徐々に現れてくるようだ。非常に不快だ。もちろん我慢できないほどではないが、ホットフラッシュが起きた時点で気持ちの良い室温にしておかないと服を脱ぎたくなる。


 ただ、この抗アンドロゲン治療の副作用で加齢臭が少なくなったという副作用もある。腋臭もほとんどしない。腋臭は年々しなくなっていたがもう全くないぐらいだ。これで髪の毛がふさふさになってくれれば言うことないのだが。
あと3カ月は続く抗アンドロゲン治療。元に戻るのだろうか。

死ぬということ

9月21日金曜日
 3回目のホルモン注射を受けるためY病院へ。きょうはやたら空いている。尿検査を終えて待合室に戻って掲示板をみると、自分の番号はもう3番目にある。そんなこともあるんだ。
 きのう、同業他社の同年齢の仲間Nさんが前立腺癌に起因する転移ガンで亡くなったと知らせを受けた。僕と同じ57歳で。若すぎるではないか。


 ガンの診断は10年前だという。関東地方の拠点で責任者をしていたときに見つかりすぐに手術した。どのような経緯で見つかり、どのような手術をしたのかは聞いていなかった。ガンであることも知らなかった。だが、それから10年。転移は今年6月になってみつかったという。そんなに早く逝くのか?


 先日、国立がん研究センターが発表した5年相対生存率では前立腺ガンは軒並み95%を超えている。たしかにNさんもガンを発見して手術してから職場復帰、その後10年は生きた。だからこの統計には当てはまる。その先は分からないということだ。


 僕の確定診断をしてくれた2人の先生も「これなら完治を目指せます」とは言っていた。だが、目指すのと完治するのは違う。せめて、子どもたちがみんな結婚し、住宅などのローンの心配をすることなく、ああ、もうゴルフもやり尽くした、と言えるまでは生きていたい。


 よくガンになった人のブログなどを読んでいると、ガンだと告知されたとき、頭が真っ白になったとか、取り乱したという話が書いてある。僕は職業柄か、そこまでのものはなかった。いま死ぬのは嫌だ、家族に未練はある。でも、いつかは死ぬ。妻と子に迷惑や心配を掛けず、せめて70歳までゴルフができれば、ありがたい。


 この日の診察では、先月の血液検査の結果を渡された。PSAは3.35ng/mlだった。ホルモン治療を初めて1カ月が経過した時点での数値だ。確かに3分の1ほどにはなったが、もっと劇的に下がるのかと期待していた。N医師に「こんなものですか?」と尋ねると「下がっていることが大事です。陽子線を当てる1月までにグッと下げましょう」という回答だった。まあ、1カ月やった時点での数値にあまり意味などないかもしれない。


 リュープリンの注射、今月は左側。注射自体は痛くないが、液体が体内に完全にしみこんでいくわけではないので違和感が残る。すぐに治まりはするが。副作用といえるほどではないが、このところ、皮膚がカサカサする。乾燥するというのか。眼鏡のツルがするっと顔から抜けない。外に多少広げて外さないといけない。


 本日の会計、病院14,450円。調剤薬局3,230円。高っかいなあ。年末の医療費控除、ガバッと戻るといいな。
国立がん研究センタープレスリリース
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/0915_02/index.html

​​​​​5年相対生存率
あるがんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標。あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体​
*で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表します。100%に近いほど治療で生命を救えるがん、0%に近いほど治療で生命を救い難いがんであることを意味します=ウェブサイトから転載​​
​​​

ホルモン注射2回目はちょっと痛かった

8月17日金曜日
 お盆期間中だが、病院は混雑している。自分も病気だから人のことは言えないが、よくもまあ、これだけの人が受診しているのか、と思う。この日は診察が30分押していた。時間通りに受付したが、1時間近く待った。診察は30秒。「お変わりないですか?」「ありません」「年末年始の放射線治療に向けて頑張りましょう」「はい」。


 泌尿器科の上の階で血液検査に向かう。妻とみられる女性を乗せた車いすを押す男性が僕を追い越していく。そんなに急がなくても採血は待ち時間短いのに、と思う。病人乗せて急がないでね。


 採血はPSAがどの程度下がっているのか、を確認するためだろう。結果は来月聞くしかない。この日の臨床検査技師さんはあまり上手ではなく、結構痛かった。いつもの左腕の太い血管ではなくて、その横にある細い静脈から採った。「そこは痛いかもなあ」と思った通りだった。


 リュープリンの注射、今月は右。看護師さんが腹の脂肪をつまんで「行きますよ」とブスリ。先月は痛くなかったのだが、きょうは、ムムムム、というぐらいちょっと痛い。採血もそうだが、痛みというのはその日の体調にもよるのだろうか。
 この1ヶ月、カソデックスを飲んできた。ニュープリンの注射ともども、感じるのは、性的欲求の低下だ。まったくその気にならない。その気にならないというのは「できない」と同義語ではない。一度、本当にどうなっているのか知りたくて、自分で出してみた。普通に出る。出るが、まるで少ない。普通は白い液体がドクドクと出るものだが、透明からやや濁った感じの液体がちょろりと出ているだけ。女性ホルモンとはこれほど効くのか、と感心する。


 ただ、やろうと思えばできるのと、できないのでは、大きな違いがある。5月に前立腺癌でダヴィンチによる摘出手術をした同僚は「まったく立たないんだ」と嘆いていた。尿漏れもまだあると。昨日発売の週刊現代9月1日号にも前立腺癌で手術が多いのは日本だけ、ダヴィンチなんて開発国の米国ではほとんど使われておらず、頻繁なのは健康保険でまかなえる日本だけだと書いてあった。


 もちろん、国民皆保険とそうではない国を単純に比較することはできない。できないが、メスをできるだけ入れない国とそうでない国の違いはどこから来るのか、という記述の部分に納得した。「日本は主治医が外科になることが多いからですよ。欧米は内科、放射線科、外科とチームで最良を探る」。泌尿器科はどこに入るのか分からないが、「わたしはダヴィンチで何例やっています」なんて言われたのが耳に残っている。はやり外科の部類なのだろうな。

ホルモン治療で変わったこと

2018年7月23日月曜日
 ビカルタミド(代表的な商品名ならカソデックス)80ミリグラムを飲み始めて2週間、リュープリン3.75ミリグラムを皮下注射して3日経過した。特段、体に変化はない。体重も極端な増減はない。

 ただ、気が短くなったのではないか、と感じる。妙に怒りっぽいのではないか。もちろん、会社の部下を怒鳴るとか、妻にけんかを売る、とか、そんなものではなくて。信号待ちしていて前の車がもたついていると「何をやっているんだ」と思うまでの時間がいつもより、短くなっている。副作用に「イライラ」とあるが、それなのか。


 イライラは自分に跳ね返る。昔からせっかちで気が短い方ではあったからよく分かる。思わず口にした後で後悔する。だから、気が短くなったと感じる今、とにかく、自分に「5秒待て」と言い聞かせている。


 きょう、熊谷で日本最高気温を更新したという。41.1度。とにかく暑い。僕の住むこの地域でもきょうは39度を超えた。きのうも家でエアコンをつけた。なかなか冷えないのでリモコンの温度を下げる。と、妻が「寒いよ、もう」という。これも副作用かもしれない。とにかく暑い。ホットフラッシュの一種なのだろうか。いつも暑いわけではない。実際、きのうも炎天下、ゴルフの練習に行った。


 この年(これを書いている時点で57歳)なので性的な欲求はそうあるわけではないがホルモン治療後は「その気」にほとんどならない。というより、そんなことを考えもしない。よいのか、悪いのか分からないが。しようと思えばできるとは思う。


 前にも書いたが副作用の1つに肥満がある。ただでさえメタボなのに体重が増えては困る。ここは注視しておきたい。いまのところ、食欲が極端に増えることはない。

初めてのホルモン注射

7月20日金曜日
 あまりの暑さ、猛暑に車で病院に行くことにした。家を出て、およそ30分の道のり。タワーパーキングに入れられて助かった。これで帰りも暑さは酷くなさそうだ。


 この日、ホルモン治療が始まって初めての皮下注射をした。まず外来でN医師の診察。前回の血液検査の結果、PSAは10.50ナノグラム/ミリリットル。「さあ、ここからですね」とN医師。彼はその先を言わなかったが「ここからうんと値を下げて、来年1月の陽子線治療に突入しましょう」ということだと受け止めた。


 同じ階にある処置室に場所を移す。10人ぐらいの人が注射を待っている。みんな、さまざまな科から送られた患者だ。待ち時間は「20分」とあった。なんで注射するのに20分も待つんだ?とブツブツ言いたくなる。3歳ぐらいの女の子がぎゃあぎゃあ、わめいている。おかあさんは「少し静かにしなさい。みんなに怒られるよ」と言っている。怒られるから静かにせよ、というのはよく分からない、などと思っていると順番が来た。


 中の方に、カーテンで仕切られるいくつかの空間がある。その中央にいす。そこに座るように事務の女性に言われる。「ズボンを下げてお腹を出しておいてください」。

 待つこと数分。看護婦さんがきた。いつものように名前と生年月日を聞かれる。


「きょうは何の注射か説明は受けられていますよね?」と確認される。「はい」と答えると、再度簡単な説明をしてくれる。「ホルモンの注射をします。注射の部位はお腹です。注射は毎月します。月ごとに左、右と交互に打ちます。今月は左です」。へー、最初から病院で決めているんだ。たぶん、患者はどちらにしたか、忘れるから、機械的に決める、ということだろう。7月は左。奇数月は左なのかな。


 注射は武田薬品工業のリュープリン3.75ミリグラム。LH-RHアゴニスト薬。下垂体に作用してホルモン分泌を抑える。精巣では男性ホルモンの一種「テストステロン」の分泌を抑えることで前立腺癌細胞を増殖させない、というポピュラーな治療だ。


 お腹に注射することは調べて知っていたが、お腹のどの部分にするのかは分かっていなかった。てっきり、脇腹近くかと思ったら、注射針が向かったのはおへその横。「え?そんなところですか?」と聞く。看護師さんが「そうですよ。ここの方が皮下脂肪がたくさんあるから。痛くないんですよ」。「痛くない?本当に痛くない?」と情けないが聞く。


 すると「うーん」というではないか。「まあ、皮下注射なので痛くないと思いますよ。いきますよ!」。ブスッ。あれ?もう刺さったの?ほとんど感じない。「終わりました」との声を聞いたのは数秒後。ちくりともしなかった気がする。少なくとも血液検査より痛くない。おー、これなら毎月打てそうだ。

 薬は1か月かけて体内に徐々に吸収される。注射をした場所は少し盛り上がっているようにもみえる。「すこしずつ、へこんできます」と看護婦さん。注射用キットで薬価34,730円。
 本日の支払いは診察を入れて10,900円。薬代3,230円。合計14,130円。たっかいのー。

ホルモン治療が始まった

7月10日火曜日
 ホルモン治療はY病院で行うという当初の方針通り、この日、投薬が始まった。

 主治医のN医師は「男性ホルモンの分泌を抑える注射と飲み薬を出します。注射は一カ月ごとに」。注射は「リュープリン」というLH-RHアゴニスト。服薬は、抗アンドロゲン剤の「カソデックス」80ミリグラムを朝1錠。いわゆるCAB(combined androgen blockade)療法というポピュラーな治療だ。
 ただ、皮下注射とはいえ、注射はできるだけしたくないので「リュープリンは6カ月製剤もあるようですが、毎月、打たないとダメですか」と聞くと、N医師は「医師としては副作用を見たいので、いきなり、3カ月、6カ月というのは…。それに量も多いですよ」と消極的。とくに「6カ月」というのはY病院ではひごろ、取り扱ってないような雰囲気。確かに一度も打ったことのない注射をいきなり半年分体内に入れるというのは不安もある。それもそうだ、と思い直し、「ではそうします」と返事をした。


 この日にも注射するのだろうな、と思って家を出ただけに注射の日がまた別に決められるというので少し拍子抜け。ただ、カソデックスはこの日から飲むことになったので、癌と診断されて2か月あまり。いくら前立腺癌がゆっくり進行するとはいえ、少々焦り気味だっただけに、投薬だけでも開始されて安心した。注射は20日。再度診察を受けた上、処置室で腹部に打つ、という。


 果たして痛いのか。ウェブでいろいろと調べてみると「知らない間に終わったといってよいぐらい、大したことはなかった」という投稿があり、一安心。確かに「リュープリン 注射 痛い」と検索しても大した文章は出てこない。


 退出間際に「先生、ところで、日常生活で何か避けるべきことはありますか?酒とか筋トレとか大丈夫ですか」と聞く。「問題ないですよ」とN医師。この日はあと、血液検査。すぐに終わって会社に向かった。この日の費用は診察と検査3910円、薬代1400円の合計5310円。ここまで、昨年5月のMRIから合計して16万円ほど(生検からは13万4642円)。病気は高くつく。


 ガンの保険金は無事に入金されていた。請求書の書式を埋めているときに気づいたのだが、ガンになった本人がピンピンしていて、これから治療にお金がかかるというのに「保険金の受取人は妻ですから、妻名義の口座でないとお支払いできません」と保険会社。保険の受取人は普通、夫が死亡したことを想定して妻を指定するもの、と勝手に思っていたから、保険に入る時には何も考えずに妻を指定したのだが、本人が生きていても、妻でないと受け取れないという。ふーん、そういうものか。


 妻に事情を説明して口座を指定してもらった。いつもは明るい妻が小さな声で「分かりました」と言った。「ちょっと、ちょうだーい」と冗談を言われると予想していたので拍子抜け。「大丈夫だよ」と励ます。とはいえ、まあ、癌だから。サイレントキラーなので。頑張って、せめて75歳までは元気でいたいなあ。一緒に旅行にも連れて行ってやりたい。昔住んでいたNYの家を見に行きたい。
 

 保険会社の説明通り、書類が保険会社に到着後、5日以内に振り込まれた。生検は手術と見なされず、その費用が支払われないことは分かっていたが、3日分の入院給付はちゃんと出た。検査と差額ベッド代の3分の1程度だが、ありがたかった。

 とにかく、これからお金がかかる。いつもはアバウトな僕がこれからしっかり癌治療の予算を立て、管理していかないといけない。

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